「自分で書いた方が早い」が終わった日
エンジニアを30年やっています。根がめんどくさがりなので、便利そうなツールが出るたびに全部試してきました。ローコードもそうですし、新しい開発環境もそうです。いつか喋るだけでシステムが作れる日が来ると、ずっと前から思っていたからです。
ただ、何を試しても結論は同じでした。自分で書いた方が安いし、早い。何年もこれの繰り返しでした。
2023年頃からAIがコーディングに使えるようになって、私も使い始めました。といっても全部任せるのは無理で、コードをコピペして回答をもらって、それをまた貼り戻す。この往復でプログラムを作っていました。プログラム全体を読み込ませてチャットで開発する、なんてことは当時はできませんでした。
ネックは規模でした。プログラムが大きくなればなるほど、精度が悪くなって破綻していく。だから小さなメソッド単位で刻んで渡すようにしていました。その単位なら精度は良かったので、当時はそのやり方でAIを使ってプログラムを作っていました。
それが逆転したのが2025年の11月です。Claude Codeというアプリの出来とモデルの良さが噛み合って、コードを見ないで自然言語でシステムを作れそうだ、という兆しがはじめて見えました。
もっとも、2025年のうちは試行錯誤でした。できそうでできないことが色々ありました。これは行ける、と確信したのはその年の冬です。そこからは複数のシステムを作ってリリースしました。もちろん詰まる場面はありました。
もうひとつ、セキュリティの壁もありました。2025年冬の時点では、AIに書かせたシステムには結構穴があって、正直不安でした。これが変わったのが2026年の初夏です。Fable 5とOpus 5が出て、セキュリティ関係のプラグインも開発されて、状況が変わりました。
ただ、不安が解消されたという言い方は正確ではないと思っています。手に入ったのは検出と検証の手段です。しかもそれをやってくれているのもAIで、AIはあくまで補助です。担保ではありません。最後に見るのは自分です。ここは変えていません。
今は、コードの9割をAIに書かせています。開発環境は開きません。チャット画面だけで開発しています。大きなプログラムでも破綻せずに開発・改修できる手法も、だいぶ確立されてきました。その中身はここには書きませんが、越え方はあります。
なぜここまでやるのかというと、このまま技術が進めば、素人の人が画面に向かって喋るだけで、あとはAIが汲み取ってシステムを作ってくれる時代が必ず来ると思っているからです。だから今から、その状態に自分を慣らしています。
先日、非エンジニア向けにやっているブートキャンプに、システム開発会社の方々が参加してくれました。ベテランの社員さんは連日「すごい」と言っていて、最終日の夜の打ち上げでは、飲みながらスマホでアプリを作り始めて、その場で完成させて披露していました。開発環境なしで、です。同じ回には入社2ヶ月の新人エンジニアさんもいて、自分でアプリを作ってデプロイまでやりきりました。「自信がつきました」と、自分の作ったアプリを嬉しそうに触っていました。経験30年の人も、入社2ヶ月の人も、それぞれ3日で自分の壁を越えていきました。可能性が無限大に広がった瞬間だと思いました。
参加した皆さんの結論は「使わない手はない」でした。もちろん完璧にできるわけではありません。でも人手でやったら、もっとたくさんのコストと時間がかかる。だったら使わない手はないでしょう、と。
とはいえ、今はまだ素人の人が詰まる部分が結構あります。それもいずれ、自動的にAIがやってくれるようになるでしょう。ただ、それが3年後なのか、5年後なのか、10年後なのかは誰にもわかりません。だったら、待つより今やり始めた方がいい。「誰でも作れる時代」はまだ川の向こうにありますが、渡り方なら私は知っています。詰まる場所は、先に全部通ってきましたから。その橋渡しを、やっていきたいと思っています。
その橋渡しの形が、2つあります。
私が現場に入り、業務を見て、作るものを決めて、その場で作ります。
御社の業務を題材に、AIと一緒に「最初の実用版」を作れるようになります。
どちらか決めきれなくても構いません。現場を見てから、向いているほうをお勧めします。
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