AI活用読了 約4分

コードを書かなくなったエンジニアは、次に何をするのか

この記事は、動画でもお話ししています

2025年3月10日、Anthropic CEOのDario Amodei(ダリオ・アモデイ)は、かなり衝撃的な予測をしました。

「3〜6か月でAIがコードの90%を書くようになり、その12か月後には、ほぼすべてのコードをAIが書く世界になるかもしれない」

当時は、さすがにそこまではいかないだろうと思った人も多かったはずです。

それから約1年半。

世界中のソフトウェア開発がそうなったとは言いません。

ただ、少なくとも今の私の仕事では、ほぼすべてのコードをAIが書いています。

バックエンドもAI。
フロントエンドもAI。
SQLもAI。
API連携もAI。

私は30年以上プログラミングをしてきましたが、今は自分でコードをほぼ書いていません。

少し修正することはあっても、ゼロからコードを書き始めることはほとんどなくなりました。

私がやっているのは、

「こういう仕組みにしたい」
「このデータからこれを計算したい」
「こことこのシステムを連携したい」
「ここは設計としておかしい」
「この処理はもっと単純にできる」

とAIに指示することです。

つまり今の私は、コードを書く人というより、

AIにシステムを作らせる人

になっています。

これはものすごくいい時代です。

以前なら数日かかっていた開発が数時間で終わることもある。

知らない技術でも、初めて使うライブラリでも、API仕様を調べながらAIと一緒に実装できる。

バックエンドからフロントエンドまで、一人で作れる範囲が一気に広がりました。

ただ最近、別の感覚もあります。

「このままいくと、やることが枯渇するんじゃないか」

という感覚です。

プログラミングが好きで30年以上やってきた人間としては、少し変な感じです。

以前は、

「どう実装するか」

を考える時間が仕事のかなりの部分を占めていました。

でも今は、実装そのものをAIがどんどん終わらせてしまう。

では、人間は何をするのか。

最近はそこを考えるようになりました。

そして、なくなっているのは「エンジニアの仕事」ではなく、

コードを書くという作業

なのかもしれないと思っています。

AIはコードを書くのは猛烈に速い。

でも、

「そもそも何を作るべきなのか」

は、まだ人間の経験がかなり重要です。

会社の業務を見て、

「このExcel作業、毎日やる必要ある?」
「FAXで来た注文を人間が入力する必要ある?」
「このデータ、別のシステムとつなげられない?」
「この作業そのものをなくせない?」

と気付くには、現場を知らなければいけません。

そして、ここでこれまでの経験が効いてきます。

データベースを触ってきた経験。
基幹システムを作ってきた経験。
Webシステムを作ってきた経験。
お客さんの要望を聞いてきた経験。
仕様変更に振り回された経験。
障害を起こして冷や汗をかいた経験。

そういうものは、AIがコードを書けるようになったからといって無駄にはならない。

むしろ逆かもしれません。

AIによって「作るコスト」が猛烈に下がったことで、

経験を持っている人間のアイデアを、実際のシステムにするまでの距離が極端に短くなった。

これはかなり大きな変化です。

これから価値が上がるのは、

コードを速く書ける人ではなく、

問題を見つけられる人。
業務を理解できる人。
何を作るべきか決められる人。
AIが作ったものが正しいか判断できる人。

なのかもしれません。

そう考えると、私がこれからやるべきことは、新しいプログラミング言語を必死に覚えることではない気がしています。

これまで持っているITの知識や業務経験にAIを掛け合わせて、

「今まで高くて作れなかったもの」
「小さすぎてシステム化されなかったもの」
「人間が面倒だけど我慢してやっていたもの」

をどんどん形にしていく。

たぶん、これです。

AIによってプログラマーという職業がどうなるのか。

まだ分かりません。

でも少なくとも私は、すでにほとんどコードを書かなくなりました。

それなのに、

以前より圧倒的に多くのものを作れるようになっています。

これは少し不思議です。

コードを書く能力の価値がゼロになるとは思いません。

でも、エンジニアの中心的な仕事は確実に変わり始めている。

「どうやって作るか」から、

「何を作るか」へ。

30年以上プログラミングをしてきた自分が、ほぼコードを書かないようになるとは思っていませんでした。

では、この先、自分は何をやるのか。

持っている知識と経験にAIを掛け合わせて、何ができるのか。

今はそこを考えることの方が、プログラムを書くことより面白くなってきています。


関連するコラム:

業務システムやAI活用でお悩みなら。SaaSに業務を合わせるのではなく、 その会社の業務そのものを設計し直します。

無料相談を申し込む

まず中身を知りたい方は現場開発プラン(FDE)現場アプリ内製化ブートキャンプ導入事例:システムパック株式会社・豊前市のパン屋「ぱんのこ」

Claude CodeAI活用エンジニア生成AIこれからの仕事
Author
遠藤 友治

フォワード フィールド テクノロジーズ株式会社 代表取締役。 1996年から業務システムの保守・開発に従事。官公庁・保険・製造業を経て、2007年からコンサルティング会社の開発部門を統括。2026年にFFTを創業。一般社団法人日本生成AI推進協会 技術部長。

著者の経歴・開発実績を見る
← コラム一覧へ
どちらのプランか
決めきれなくても大丈夫です
まず30分、話す