ChatGPTに商品を見つけてもらうために、自社の通販サイトで今できる点検
通販の商品ページをたくさん見てきて、よく出会うのが、商品説明がまるごと1枚の大きな画像になっているページです。デザインはきれいで、人が見るぶんには何の問題もありません。
でも最近、このページを「読む」のは人だけではなくなってきました。
アメリカでは、ChatGPTに「寒い地域でも使える防水シューズは?」と聞くと、商品の写真や価格が並んだ答えが返ってきます。ChatGPTで商品を探して比べる使い方が、もう当たり前になりつつあります。
OpenAIは、このショッピングの機能は「今はアメリカだけで、これから地域を広げる」と説明しています。日本に来てから慌てるより、今のうちに自社のサイトを点検しておきたいところです。この記事では、仕組みの整理と、今できる点検をまとめます。
商品がChatGPTに載る道は2つ
ChatGPTが商品の情報を集める道は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、お店が商品データを直接渡す道です。OpenAIには販売者向けの申し込み窓口があり、受け入れられたお店だけが、商品名・価格・在庫などをまとめたファイルを送れます。申し込むと、まず順番待ちのリストに入る仕組みです。ShopifyとEtsyに出しているお店は、申し込まなくてもすでにつながっています。
ここで「受け入れられたお店」というのは、広告を出しているお店という意味ではありません。広告とは関係なく、商品データを直接受け取る相手としてOpenAIが選んだお店です。OpenAIは、ChatGPTから始まった買い物に手数料はかからないとも説明しています。
2つ目は、ChatGPTがお店のサイトを自分で読みに行く道です。申し込みをしていないお店、つまりEC-CUBEなどで作った自社サイトの多くは、こちらで見つけてもらうことになります。OpenAI自身も「サイトを巡回しているので、商品データのファイルは必須ではない」と答えています。

地方の通販会社にとって現実的なのは、まず2つ目の道を整えることです。
「チャットの中で買う」は一度後退した
OpenAIは2025年9月、ChatGPTの中で支払いまで済ませられる機能を始めました。ところが2026年3月に方針を変え、「支払いはそれぞれのお店の仕組みに任せて、自分たちは商品を見つけてもらうところに集中する」と発表しています。
報道によると、利用者はChatGPTで商品を調べるものの、その場で買う人は少なかったそうです。Walmartの幹部は、チャットの中で買ってもらえる割合は、自社のサイトに移って買う場合の3分の1だったと話しています。
慣れたお店のサイトで、いつものアカウントで買いたい。この感覚は、通販を続けてきた人ならよく分かるのではないでしょうか。
つまり今の流れは「ChatGPTで探して比べる → お店のサイトで買う」です。自社サイトは、これまで以上に「最後に買ってもらう場所」として大事になります。AIが連れてきたお客さんが迷わず買えるか。そこで見た価格や在庫が、AIの紹介と食い違っていないか。信頼はそこで決まります。
ChatGPTの広告とはどう関係するのか
ChatGPTには、2026年から広告も出るようになりました。アメリカなどで、無料プランや安い「Go」プランの利用者に、答えの下に「スポンサー」と書いて表示されます。商品データから広告を自動で作る形も出てきました。
こういう話をすると、「結局、お金を払った会社が上に出るんでしょう?」と聞かれることがあります。
OpenAIは「広告はChatGPTの答えに影響しない」「広告は常に答えと分けて表示する」と言い切っています。広告を出せば、ふつうのおすすめに選ばれやすくなる、という仕組みではないということです。
関係してくるのは、商品データのほうです。広告もふつうの表示も、同じ商品データをもとにしていると報じられています。将来、日本でChatGPTの広告を試すときも、土台は「正確で詳しい商品情報」です。なお、ChatGPTの広告が日本で始まるという公式の発表は、今のところ見つけられていません。
自社の通販サイトで今できる8つの点検
ここからは、ChatGPTがサイトを読みに来たときに、ちゃんと読めるかどうかの点検です。OpenAIが公開している情報と、検索対策の道具を作っているSemrush社の検証記事をもとにまとめました。
robots.txt で OpenAI の巡回を断っていないか
robots.txt は、サイトに来る巡回プログラムに「ここは見ないで」と伝えるファイルです。「OAI-SearchBot」は、ChatGPTの検索結果に載せるために巡回します。これを断ると載りません。AIの学習に使われたくない場合は「GPTBot」だけを断ることができ、検索に載るかどうかとは切り分けられます。
サーバーのセキュリティ設定で弾いていないか
robots.txt で許していても、ボット対策の設定で入口を閉じていることがあります。不正なアクセスへの対策を強めたサイトほど、一度確かめておきたいところです。
価格・在庫・商品説明が、ページのソースに入っているか
今のサイトは、ページを開いたあとに価格や在庫を読み込んで表示することがよくあります。人の目には普通に見えますが、AIが取りに来た時点では価格の欄が空っぽかもしれません。Semrush社は、後から表示している価格や在庫は読まれないおそれがあるとしています。確かめ方は簡単で、商品ページで右クリックして「ページのソースを表示」を選び、価格の数字を探してみてください。見つかれば、ひとまず安心です。これはOpenAIの公式の条件ではなく、専門家の検証にもとづくすすめです。
仕様や特徴を画像だけで載せていないか
人には「素材:牛革、重さ:320g」と読めても、AIにはただの絵として扱われるおそれがあります。サイズ・素材・容量などは、文字や表でも書いておきましょう。
商品の情報を、機械が読みやすい形でも入れているか
商品名・画像・価格・在庫を、決まった形でページに埋め込んでおく仕組みがあります(構造化データと呼ばれます)。Googleの検索対策としても効きます。
JANコードや型番を載せているか
同じ商品を正しく結びつけてもらう手がかりになります。
価格と在庫が、実際とずれていないか
モールと自社サイトで在庫がずれていると、AIが「在庫あり」と紹介した商品が、実は品切れということが起きます。在庫を合わせる精度は、これからは集客の問題にもなります。
お客さんの声が文字で読めるか
実際の声が文章で読めることも、商品を比べるときの材料になります。
「人にもAIにも読める商品ページ」へ
ChatGPTのショッピング機能は、まだ日本では始まっていません。ただ、ここで挙げた点検はどれも、Googleの検索にも、お客さんの使いやすさにもつながるものです。やって無駄になるものはありません。
広告に頭を悩ませる前に、まず商品ページを正確に、読める形で出しておく。商品ページは、もう「人に見せるもの」だけではなく、「AIにも読んでもらうもの」です。そう考えると、見慣れた自社のページが少し違って見えてくると思います。
ChatGPTの「購入ボタン」がどこを指していたかは、こちらの記事に書きました。→ ChatGPTが「どこで買うか」まで決める時代、地方の通販会社は商品ページで勝負する
参考にした記事・データ
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無料相談を申し込むまず中身を知りたい方は現場開発プラン(FDE)現場アプリ内製化ブートキャンプ導入事例:システムパック株式会社・豊前市のパン屋「ぱんのこ」
フォワード フィールド テクノロジーズ株式会社 代表取締役。 1996年から業務システムの保守・開発に従事。官公庁・保険・製造業を経て、2007年からコンサルティング会社の開発部門を統括。2026年にFFTを創業。一般社団法人日本生成AI推進協会 技術部長。
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